3月5日から8日までタイ・バンコクに滞在しました。
私たちにとって約10年ぶりのバンコクは勝手に巡礼の旅(おそらく巡礼という言葉の使い方は適当ではない)と思い出会った光景を時々写真におさめました。旅の最中のコミュニケーションは基本、料理長のちょっぴり頼り無いタイ語で行動することにしました。以下感想も含めた旅の報告です。
今回の宿はバンコクの中心地、ルンピニー駅とシーロム駅の間に位置するサトーン地区でした。
空港から電車を乗り継いで宿にチェックインをして、タイバーツへ両替するために宿を出て最初に目に飛び込んできたのがこの肖像画でした。
無秩序にはりめぐされた電線越しのプミポン国王の肖像画にどういうわけかとても惹かれました。
トゥクトゥクを拾って歓楽街のタニヤ地区へ、
この界隈はバンコク有数の歓楽街と言われていますが最近はあまり元気が無いと聞きます。
その夜は土曜日ということもあってか結構な人出でした。(ほとんどが日本の方でした)
両替が終わり歩いてルンピニー公園に行くことにしました。うる覚えでは結構な大きさの規模のナイトマーケットが開催されているはず、、、。
しかし薄暗い夜の公園にあったのは、上半身はだかで器具を駆使して肉体を鍛えるタイの人々の光景でした。
あと、、、猫。
、、、猫。結局その夜は宿の近くにあった食堂にいくことにしました。
通りから一本入ったところにあるその食堂は、私たちが入ろうか迷っていたら中からおばあちゃんが出てきてくれて招き入れてくれました。
「空芯菜炒め」「卵焼き」「揚げた牛肉」「トムヤムクン」「ご飯」「シンハー」
着いて早々こんなに美味しいタイ料理を食べれた喜びですっかり写真を撮るのを忘れてしまいました。
翌日は少し早起きをしてバンコク市内から少し北に行ったところにある「チャトゥチャーク」へ。こちらはバンコク最大のマーケットです。
まずはプミポン国王へ朝の挨拶を、
あさの10時前ですでに気温30度越え、しかも大変な数の人の熱気に圧倒されてしまい着いて早々買ったのがココナッツアイスクリーム、
まだ朝食も食べていないのにいきなりこういうことが出来るのも旅先ならでは、どうやら旅先では胃袋のギヤが変わるみたいです。
その後マーケット内の食堂で汁そばを、
何種類かのすり身団子が入った優しい味付けのスープヌードルで、麺の量が少ないということもありますがいくらでも食べれる気がしてきます。
マーケット内を少し散策後、ここから10分ほど歩いたところに最近できた「オートコート市場」というマーケットに行くことに。
こちらは野菜、フルーツ、ハーブ、鮮魚、肉、惣菜などがとても綺麗に整理されて売られていて、価格は市内のマーケットよりも割高に感じました。
郊外ということもあってか車で買い物に来ているタイの方がほとんどでした。オーガニック食品専門のスーパーマーケットも隣接されていてこちらも地元の方で賑わっていました。
マーケット内にはフードコートもあってものすごく食べたかったのですが、この後昼食をするお店を予約していたので泣く泣く断念することにしました。
そこから電車とタクシーでタイ国鉄のサームセーン駅へ到着、この駅の線路沿いにあるレストラン「Soei」
このお店のことは数ヶ月前から知っていて今回行きたかったお店の一つです。朝からずいぶん歩いたせいもあり喉もカラカラに乾いていたので、席についてまずはビールをお願いしました。
が、そこでお店の方から衝撃の一言「ビールは5時からです」
ん?!、、、、、、、、
えっええええええええええーーーーー!
よくわかっていなかったのですが、どうやらタイでは一部のお店を除いて夕方5時までは酒類の提供が禁止されているようなのです。ようなのです、と書いたのはその線引きが実によく分からないのです。
結局お水でスタート。考えようによっては食事の味をストレートに味わうことが出来るはずと前向きに考えることにしました。
いろいろ頂いたのですが特に印象に残っている一品をご紹介します。
Goong chae nam pla (กุ้งแช่น้ำปลา)
生の海老をマナーオ(タイのライム)ジュース、プリッキーヌー、ニンニク、ナンプラーに軽く漬けて上にどっさりハーブが載せられている料理です。
そして隠し味は日本のわさびです。
味はかなり辛いのですがマナーオの爽やかな酸と海老の甘み(おそらくはわさび醤油で食べてもとっても美味しいレベル)ハーブの苦味(単体で食べるとひどく苦い)が不思議と調和していて、後からわさびのギリギリ鼻にツンと来ない辛さがやってきてとても美味しい一品でした。
一旦、宿に戻りプミポン国王にご挨拶、
少し派手めなトゥクトゥクでスクンビット地区へ
バンコクで人気のバー「Iron fairies」へ
こちらはほぼ真っ暗の店内と非常に凝った内装の中でユニークなカクテルをいただきました。
おみせの前にはこんな可愛い妖精が
その後、屋台街で有名なスクンビットSoi 39通りへ
こちらではバンコクのストリートフードをたっぷり堪能しました。
バンコク3日目の朝食は中華街ヤワラー地区へ、建物の谷間にある食堂で、バーミーナームとバーミーヘンをいただきました。
ヤワラーでは八角や菊の花茶などを買うことができました。八角などは東京でも買うことが出来ますがやはり本場だけあり型崩れのない良い状態の物が購入できます。
10年前に来た時はほとんどこの界隈で過ごしていました。いまは地下鉄工事がなされているそうで、駅がないこの地区も数年後には変わるだろうと言われています。
私たちが行った前日に強盗発泡事件があったそうであちこちに警察の人がいました。
一本路地裏ではこんな光景にも遭遇、
そしてバンコク最後の夜は、レストラン「nahm」
シェフのDavid Thompsonさん(オースラリア人)はタイ在住の経験もあるそうで、2002年にタイ料理で初めてロンドンのお店がミシュランの星を獲得(現在は閉店)、その後バンコクに戻り2004年に「nahm」を開店。
アジアのベストレストラン2014で1位、今年は8位という輝かしい経歴を持つタイレストランです。
今回なぜ「nahm」に行きたかったのかというと、こちらのタイ料理は宮廷料理でも屋台料理でも創作タイフュージョンでもない、約100年前の古いタイ料理のレシピを彼なりに再構築し、タイの各地から今ではあまりお目にかからなかったり、忘れられていた食材や素材を探し取り寄せ、ある意味シンプルに調理されたタイ料理を提供し続けているからです。
そしてそれらは今まで私たちが経験したこのない驚きの世界でした。
総じてほとんどのお料理がとても辛いのですが、とにかく見たことも聞いたこともないようなハーブや野草が多く使われていて、さらにスパイスの味が幾重にも感じられる品々でした。調理方法は正確には分からないのですが、発酵の過程を経た素材を使ったものも多く、苦手な人も多いのではないのかなとも感じました。(おそらくは冷蔵庫の無い時代に暑いタイでの生活の知恵みたいなものだと思われる)
特に印象に残ったのは、メニューに「relish」と書いてありましたが、通常のタイレストランではおそらく「ナムプリック」に相当するであろう料理です。私たちは2品いただきましたが、その内の1品「塩漬けされたナマズのミンチ肉と唐辛子、タイバジル、ネギで作ったレリッシュ、焼いた塩漬け牛肉と野菜添え」(長い)がとくに素晴らしかったです。お皿の上でご飯とナマズのミンチ肉、牛肉、生野菜(野草)を混ぜて食べるのですが、これがなんとも表現が難しいのですがとても美味しい!噛むごとにいろんな味や香りが現れとても楽しいのです。ちょうどその時私はモヒートを飲んでいたのですがとても合いました。
「豚肉のカレー、フレッシュ・カルダモンと野生のコリアンダー味」この料理は注文時にウエイターの方から「very very hot and spicy」、出された時には「be careful」と言われました。確かに超がつく辛さなのですが、複雑なスパイスの味わいと香りがたまらなく病みつきになる美味しさでした。完食後はなんだか自分が生まれ変わったような気もしてきました。
カクテルも幾つかいただきましたがとても丁寧に作られていて好感が持てましたし、ウェイター、ウェイトレスの方達のホスピタリティーも素晴らしかった。
最後のデザートまで感嘆の声をあげたり、唸ったり、泣いたり(辛くて)して楽しく美味しく時間を過ごしました。
nahmを後にし歩いて10分程のバーに行くことにしました。このお店の前は今回の滞在中何度か通っていて気になっていたのです。
「Smalls」
BGMは「What a Wonderful World」、閉店30分前ということなので1杯だけカクテルをいただきました。
約10年前のバンコクでこのように何処でも(ということは無い)美味しいカクテルが飲めるというのはあまりなかった事のように思います。バンコク最後の夜にここに来れて本当に良かった。(実はここの前に1軒バーに行ったのですが、どうしてもそこを最後にしたくはなかった。)
店内にもプミポン国王の銅像
帰国の日の朝、チェックアウト前に宿の近所にあるマーケットで朝食の朝粥をいただきました。因みに粥の具は豚の臓物がたくさん入っていて普通だったら朝から絶対に食べたくないのですが、こういうのも美味しくいただけるのは旅先ならではかと思います。(思わない。)
続いてハーブとマナーオを購入して
宿を出て、毎日顔を合わせていた猫に別れを告げ、バンコクを後にしました。
次はいつ来れるかな。
コープクン クラップ、 バンコク!