厚岸

9月の終わりころ、北海道の厚岸町という所に行ってきました。
釧路から東へ車で1時間ほど走ったところにある厚岸は太平洋厚岸湾に面しています。厚岸湾はさらに深く入りこみ厚岸湖に通じています。
魚介類では牡蠣が有名で厚岸湖と厚岸湾を養殖カゴごと移動させ、水温の差を利用して産卵時期を調整することによって1年を通してカキを生産しているそうです。
今頃はさんまが最盛期をむかえていて、このあたりでとれるさんまは大黒さんまと呼ばれています。
2016年10月には北海道で80年ぶりとなる新しいウイスキー蒸溜所「厚岸蒸溜所」が蒸留を開始しました。
今回せっかく行ったので蒸溜所を見学したかったのですが、残念ながら今は一般開放してなく断念しました。
しかしこちらの蒸溜所はウイスキーに使用する水を、蒸溜所のそばを流れる尾幌川上流のホマカイ川という川から取水しているそうなので、尾幌川とは厚岸湖でつながる別寒辺牛川を上流から約10kmをカヌーで下ることにしました。
カヌーで下るといっても流れはとても穏やかで、後ろにガイドの方がいてくれるおかげで操縦はほぼお任せという感じでたまにパドルを漕ぐ程度です。

出発地点の川上流に向かう途中に遭遇したタンチョウのつがい。

別寒辺牛川が流れている別寒辺牛湿原は約8300haの広さがあり、川に沿って細長く形成されている為、一度に全域を見渡す事ができない湿原です。
湿原には何千年にも渡って蓄積され泥炭層があり、その層を通ってきた川の水は薄茶色です。

底から水が湧いています。

川の両岸に生えている草はエゾシカの大好物。でもとてもぬかるんでいるので命がけで食べにくるそうです。

すごい生え方をしているミズナラの木。

約3時間カヌーの上でガイドさんのお話を聞いたり、ボーっとしたり、川の水をなめたりして過ごしました。
そのあとは当然ウイスキーを飲みたいわけですが、車の運転がある為飲むことはできませんでしたが牡蠣は食べました。
この時期は産卵前の時期で一年で一番クリーミーな味わいになるそうで、僕たちは生とフライ両方をいただきましたが驚くほどミルキーでとっても美味しかったです。

つい先日初めてフルボトルサイズの厚岸ウイスキーがリリースされました。名は「寒露」二十四節気の中で瓶詰した時期を表しているそうです。
もうすぐ冬が訪れる厚岸・別寒辺牛川を思い浮かべながら飲みました。

皆さま、良い週末をお過ごしください。